「社内にマーケ担当を置きたいけれど、採用は難しい」
「広告代理店に頼んでいるが、戦略から見てくれる感じはない」
「もっと自社のことを理解した上で、伴走してくれるマーケのプロがほしい」
中小企業の経営者と話していると、こうした「自社にマーケの専門家がほしいけれど、雇うのは難しい」というニーズが非常に多く聞かれます。
このとき、選択肢として浮かび上がるのが「外部マーケティング担当」という働き方です。雇用ではなく、外部のプロを自社のマーケ担当として活用するアプローチです。
ただ、「外部マーケティング担当」と一口に言っても、実は契約形態・責任範囲・コスト感が大きく異なる3つの類型が存在します。これを混同したまま発注すると、期待値ズレで失敗します。
👉 外部マーケティング担当にはマーケティング顧問・CMO代行・業務委託マーケターの3類型があり、それぞれ役割もコストも違います。
本記事では、3つの類型を整理しつつ、中小企業がどう選び・どう活用すべきかを解説します。
「外部マーケティング担当」とは何か

まず、用語の整理から始めます。
「外部マーケティング担当」とは、雇用関係を結ばずに外部の専門家を自社のマーケティング担当者として活用する形態の総称です。
似た言葉として、
- 社外マーケティング担当
- 外部マーケター
- マーケティング業務委託
- マーケティング顧問
- CMO代行(フラクショナルCMO)
などがありますが、これらはほぼ同じ意味合いで使われたり、文脈によって違う意味で使われたりします。
ここで重要なのは、外部マーケティング担当には責任範囲・関わり方の違う3つの類型があることです。混同したまま発注すると、「お願いしたことと違うことをやっている」「期待した範囲をやってくれない」といったズレが生じます。
外部マーケティング担当の3類型
中小企業が活用する「外部マーケティング担当」は、おおむね次の3つに分類できます。
| 類型 | 関わり方 | 責任範囲 | コスト目安 |
|---|---|---|---|
| ① マーケティング顧問 | 月数時間のアドバイス | 戦略助言 | 月5〜15万円 |
| ② CMO代行(フラクショナルCMO) | 戦略から実行統括 | 経営層と並走 | 月10〜50万円 |
| ③ 業務委託マーケター | 特定領域の実務 | 個別施策の実行 | 月10〜30万円 |
順に見ていきます。
類型①:マーケティング顧問
最も軽い関わり方が、マーケティング顧問契約です。
関わり方
- 月1〜2回の定例ミーティング(1〜2時間/回)
- メール・チャットでの随時相談
- 戦略・施策方針への助言
- 外注先の提案レビュー
責任範囲
- 主に「戦略助言」「方針アドバイス」
- 具体的な手を動かす作業(広告管理画面の操作、記事執筆など)は基本的に含まない
- 外注先や社内担当者の動きを評価・サポートする立場
コスト目安
- 月5〜15万円
- 経験豊富なシニア人材を低稼働で活用できる
向くケース
- 社内にマーケ担当者がいる(または兼務者がいる)
- 担当者の判断を支える”相談相手”がほしい
- 戦略・大方針が決まれば、実行は自社で動ける
- 経営者がマーケを学びながら進めたい
向かないケース
- 戦略から実行まで一気通貫で任せたい
- 社内に動ける担当者がいない
- 月数時間の助言だけでは進まない複雑な状況
類型②:CMO代行(フラクショナルCMO)
最も深く関わるのが、CMO代行です。
関わり方
- 月数回〜週次の定例ミーティング
- 戦略立案から実行統括まで担う
- 外注先・代理店の選定・指揮
- 経営層との戦略議論
- KPI設計と月次の進捗管理
責任範囲
- 経営層のマーケティング責任者(CMO)と同等の役割
- 戦略の決定・実行・改善のサイクルを統括
- 必要に応じて手を動かす(重要な判断局面では実務も担う)
- マーケ機能全体の責任を持つ
コスト目安
- 月10〜50万円
- プラン・稼働量によってレンジが変わる
向くケース
- 社内にマーケ責任者がいない
- 戦略から実行まで任せたい
- 経営判断レベルで一緒に動いてほしい
- 複数の外注先を統括する役割がほしい
- 採用するより外部活用のほうが現実的
向かないケース
- 「相談相手」だけで十分(→顧問のほうが軽い)
- 特定の施策(広告だけ、SEOだけ)の専門実行が欲しい(→業務委託のほうが向く)
類型③:業務委託マーケター
特定領域の実務を担うのが、業務委託マーケターです。
関わり方
- 特定の業務範囲を契約で定めて遂行
- 月の稼働時間で契約することが多い(月10〜30時間など)
- 領域は広告運用、SEO記事執筆、SNS運用、CRM設計など特化型
責任範囲
- 契約で定めた業務範囲内の実行
- 戦略・全体統括は基本的に責任範囲外
- 「言われたことを動かす」立ち位置
コスト目安
- 月10〜30万円
- 時間単価で5,000〜15,000円程度
向くケース
- 特定領域に絞った専門業務を依頼したい
- 戦略は社内(または別の顧問・CMO代行)で決まっている
- リソース不足を埋めるだけでいい
向かないケース
- 全体戦略を一緒に考えてほしい
- 「何をやればいいか」の判断も含めて任せたい
3類型の使い分け:典型パターン

中小企業が実際にどう組み合わせて使うかの典型パターンを示します。
パターンA:軽めの伴走でいい
- 社内にマーケ担当(兼務でも可)がいる
- 担当者の判断を支える相談相手がほしい
- 予算は月10万円前後
→ マーケティング顧問を活用
パターンB:戦略から実行まで任せたい
- 社内にマーケ担当がいない(または窓口役だけ)
- 戦略立案から外注統括まで一気通貫で任せたい
- 予算は月20〜50万円
→ CMO代行を活用
パターンC:特定の実行業務を埋めたい
- 戦略は経営者・社内で決まっている
- 広告運用やSEO記事執筆など、特定の実務を埋めたい
- 予算は月10〜20万円
→ 業務委託マーケターを活用
パターンD:戦略と実行を分ける
- 戦略はCMO代行(または顧問)
- 実行は業務委託マーケター(または代理店)
- 予算は月30〜80万円
→ CMO代行 + 業務委託マーケター(または代理店)の併用
中小企業の中堅規模(年商5〜30億円)になると、パターンDの組み合わせが現実的です。
「外部マーケティング担当」を選ぶ前に整理すべきこと
3類型のどれを選ぶかは、自社の状況を整理してから決めます。整理すべきは次の3点です。
整理①:いま何が一番足りないか
戦略が足りないのか、判断が足りないのか、実行が足りないのか。それぞれで選ぶべき類型が変わります。
- 戦略・判断が足りない → CMO代行 or 顧問
- 実行が足りない → 業務委託マーケター
- 両方足りない → CMO代行(実行も含めて担当)
整理②:社内のリソースはどこまで使えるか
経営者・既存社員がどれくらい時間を割けるかで、外部に任せる範囲が変わります。
- 社内で時間が取れる → 顧問(軽め)
- 社内で時間が取れない → CMO代行(重め)
整理③:予算はいくらまで出せるか
予算規模で類型・組み合わせの選択肢が決まります。
- 月10万円以下 → 顧問
- 月10〜30万円 → CMO代行(ライト)or 業務委託
- 月30〜50万円 → CMO代行(スタンダード)
- 月50万円以上 → CMO代行 + 外注の組み合わせ
外部マーケティング担当を活用するコツ
3類型を機能させるためのコツも整理しておきます。
コツ①:契約前に「期待値」を言語化する
「成果を上げてほしい」だけでは曖昧です。
- 月の問い合わせ件数を○件にしたい
- ○ヶ月で売上を○%伸ばしたい
- 既存施策の効率を改善したい
- 新規施策を立ち上げたい
何を期待しているかを言語化してから契約に入ると、双方の期待値ズレが防げます。
コツ②:「やらない範囲」も決める
外部マーケティング担当は、契約範囲を曖昧にすると消耗します。
- 制作物の量産は範囲外
- 営業活動は範囲外
- 採用支援は範囲外
など、やらない範囲も明示しておくと、後で揉めません。
コツ③:社内の窓口役を決める
外部マーケティング担当と日常的にやり取りする社内窓口を1人決めます。経営者本人か、営業・広報・経営企画のいずれか。
窓口役がいないと、外部の動きが社内に伝わらず、施策が浮きます。
コツ④:レビュー頻度を決める
3ヶ月に1度は、契約全体を見直すレビュータイミングを決めておきます。
- 目標達成度
- 施策の方向性
- コスト対効果
- 継続・変更・解除の判断
レビューがないまま「なんとなく続く」関係は、双方にとって良くない結果になります。
よくある失敗パターン
① 「CMO代行」と「業務委託マーケター」を混同して契約する
CMO代行に契約したのに「もっと手を動かしてほしい」と要求する、業務委託マーケターに契約したのに「戦略も考えてほしい」と要求する——これは類型の理解不足から起きる典型的なズレです。契約前に類型と責任範囲を明確にすることが重要です。
② 「顧問」に大量の作業を期待する
月5〜15万円のマーケティング顧問契約で、フルタイム並みの実行作業を期待するパターン。顧問は基本的に助言が主であり、手を動かす作業は範囲外です。
③ 統括役を置かずに外注先を増やす
「広告は代理店、SEOは別、SNSはさらに別」と外注先を増やしても、統括する役割がいないと施策が散ります。CMO代行か顧問を統括役として置くことが必要です。
④ 自社の整理ができていないまま契約する
「とりあえずCMO代行を入れれば何とかなる」と整理せずに契約すると、最初の3ヶ月はヒアリング・整理だけで終わります。最低限の現状整理と期待値は事前に持っておくと、契約後すぐに動けます。
⑤ 一度の判断で長期契約
最初から1年契約・2年契約にすると、合わなかった場合に縛られます。最低3ヶ月から始めて、レビューで判断するのが現実的です。
よくあるご質問
Q. マーケティング顧問とCMO代行の違いは何ですか?
責任範囲と関わりの深さです。顧問は”アドバイザー”で月数時間の助言が中心、CMO代行は”責任者”として戦略から実行統括までを担う役割です。コスト感も、顧問は月5〜15万円、CMO代行は月10〜50万円と差があります。
Q. 中小企業にはどの類型がもっとも合いますか?
会社の状況によります。社内にマーケ担当者がいて、判断の伴走者がほしい場合は顧問、社内にマーケ責任者がいなくて戦略から実行まで任せたい場合はCMO代行が合います。多くの中小企業は、CMO代行が現実的な選択肢になることが多いです。
Q. 「外部マーケティング担当」と「広告代理店」の違いは何ですか?
広告代理店は広告運用の専門家で、責任範囲は基本的に広告の中だけです。外部マーケティング担当(特にCMO代行)は、広告・SEO・SNS・LP・CRMを横断して、御社全体のマーケ戦略を考えます。代理店は手段の専門家、CMO代行は経営判断の伴走者、という違いです。
Q. 外部の人に自社のマーケを任せて、ナレッジが残らないのが心配です。
経験のあるCMO代行・顧問は、社内に知見を残す前提で動きます。施策の判断基準、レポートの読み方、外注先との付き合い方など、社内に転写することを意識して進めれば、契約終了後も知見が残ります。契約前にこの点を確認しておくと安心です。
Q. 業務委託マーケターと業務委託エンジニアは違いますか?
似たような契約形態ですが、求めるアウトプットが違います。エンジニアは”システムを作る”のがアウトプット、マーケターは”集客・売上に貢献する”のがアウトプットです。マーケ業務は成果が見えにくい性質があるので、KPI設計が特に重要になります。
まずは「自社にどの類型が合うか」の整理から
外部マーケティング担当には、顧問・CMO代行・業務委託マーケターの3類型があります。それぞれ責任範囲もコスト感も大きく違います。
自社の状況——いま何が足りないか、社内のリソースはどこまで使えるか、予算はいくらか——を整理した上で、合う類型を選ぶことが、失敗しないコツです。
ROOT SCOPEでは、初回ヒアリング(60〜90分)で、御社の状況を整理し、顧問・CMO代行・業務委託のどれが合うか、またはどんな組み合わせが現実的かを一緒に考えています。ROOT SCOPEとしてはCMO代行・事業開発支援を提供していますが、御社にとって他の類型のほうが合うと判断すれば、そう率直にお伝えします。「合いそうか」を確認してから契約をご判断いただけます。
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